Ⅵ：ホメオパシー枕草子

ゲオスミンはワインなどに「土の風味」を与える。乾燥で死滅・休眠した細菌がこれを放出、いずれ雨が降ればエアロゾルとなり拡散される。「ペトリコール」の成分にはこの他に、テルペンやオゾンの香りが混在する。テルペンは植物の精油の主成分で渇水の際に出され、他の種子の発芽を抑制して水の取り合いを防ぐらしい。オゾン（O3）は、雷が酸素（O2）分子を電離させ、原子が３つ結合した時に発生する。これらは清しい香りの素になる。最後に犬の耳のエモい香りは、皮膚常在真菌マラセチアが皮脂を食べ放つ臭気で、高温多湿下で繁殖する。すると私の好きな匂いとは微生物の生き死にの際のシグナルであり、水が大きく関わっている。因みに、ホメオパシーの「真菌類Fungi」レメディーが合う人の持つ「感覚」には「掘る」「侵入する」「腐食する」「拡散する」等がある。そう言えば「壁の中をずっと掘り進む」夢をよく見る、可愛いキノコの人が居た。