何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その二
ポルトガルの宿は「ポサーダ」にすると決めていた。それは古城や修道院などの歴史的建造物を改築・保存した宿泊施設の総称である。我々夫婦のステイ先は元宮殿らしかった。しかし到着時すでに夜はふけており、また季節外れの寒波にも見舞われていた。トランクからありったけの服を出して着混み、長い旅路を忍んできた二人には、建物を味わう余裕などなかった。ただもうベッドに入りたかった。ヨレヨレだった。
こじんまりしたレセプションに案内されるや、「ホット・ワインは如何ですか?」。あんまり疲れて見えたのだろうか。結局それはとてもよく効いた。身も心もホットになれた。普段お酒を飲まない私にも「百薬の長」の価値は身に沁みた。そういえばここはポルト・ワインの国だった。ほんのり甘くて優しい味。あとから思い返せば、この国の人も街も、みんなそんな風だった。
何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その二
ポルトガルの宿は「ポサーダ」にすると決めていた。それは古城や修道院などの歴史的建造物を改築・保存した宿泊施設の総称である。我々夫婦のステイ先は元宮殿らしかった。しかし到着時すでに夜はふけており、また季節外れの寒波にも見舞われていた。トランクからありったけの服を出して着混み、長い旅路を忍んできた二人には、建物を味わう余裕などなかった。ただもうベッドに入りたかった。ヨレヨレだった。
こじんまりしたレセプションに案内されるや、「ホット・ワインは如何ですか?」。あんまり疲れて見えたのだろうか。結局それはとてもよく効いた。身も心もホットになれた。普段お酒を飲まない私にも「百薬の長」の価値は身に沁みた。そういえばここはポルト・ワインの国だった。ほんのり甘くて優しい味。あとから思い返せば、この国の人も街も、みんなそんな風だった。