何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その三
すやすやと眠りについた翌朝は、食欲で早く目が覚めた。活力が戻ってる。よしよし。朝食を待って外に出てみると、ドウロ川の流れは館のほんの側であり、川面に朝靄がたっている。あゝ。映画『アブラハム渓谷』など、大好きなオリヴェイラ監督の作品で繰り返し見たあの川だ。やっと来たんだ。だけど実際の方がずっといい。靄の湿気が館の石と反応し、私好みの芳しい香りを立てていた。鄙びと流れ。どちらも大好物。この旅を選んだ時点では、そこまで意識していなかったのだけれども。
とはいえ最初の滞在先はポルトだと、はなから思っていた。絶対に行きたい場所はあったのだ。『サン・ベント駅』と『レロ書店』。どちらも「世界一美しい」駅と本屋で通っていた。地理的に起伏が大きく広い土地ゆえ、我々はドライバーを雇った。浅黒く日焼けしたC・ロナウド似の朗らかな彼が案内し、最初の目的地に無事着いた。
何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その三
すやすやと眠りについた翌朝は、食欲で早く目が覚めた。活力が戻ってる。よしよし。朝食を待って外に出てみると、ドウロ川の流れは館のほんの側であり、川面に朝靄がたっている。あゝ。映画『アブラハム渓谷』など、大好きなオリヴェイラ監督の作品で繰り返し見たあの川だ。やっと来たんだ。だけど実際の方がずっといい。靄の湿気が館の石と反応し、私好みの芳しい香りを立てていた。鄙びと流れ。どちらも大好物。この旅を選んだ時点では、そこまで意識していなかったのだけれども。
とはいえ最初の滞在先はポルトだと、はなから思っていた。絶対に行きたい場所はあったのだ。『サン・ベント駅』と『レロ書店』。どちらも「世界一美しい」駅と本屋で通っていた。地理的に起伏が大きく広い土地ゆえ、我々はドライバーを雇った。浅黒く日焼けしたC・ロナウド似の朗らかな彼が案内し、最初の目的地に無事着いた。