Ⅵ:ホメオパシー枕草子

何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その四

 「アズレージョ」と呼ばれる装飾タイルで覆われた駅舎内部は陽光に満ちていた。忙しく往来する人に混じり、立ち止まり見入る人がいる。欧州の旅で羨ましいのは公共建築物の美しさで、つい本邦と比べてしまう。私の古いもの好きは、淘汰されずに生き延びられた美しさに惹かれるからか。この駅のタイル画はポルトガル史を描いていたが、絵柄や色味には幅があると、街の至る所で知ることになる。結局この駅の意匠が一番好きだった。
 さて「アズレージョ」の語源はペルシャ語で、青い石「ラピス・ラズリ」から来たらしい。その昔半島はアラブ人が支配していたのだ。当初カラフルだったタイルで占める壁面は、イスラム圏の空間恐怖症的な様相がより強い。後にオランダの影響で青と白になり、タイル画に空と海が生まれた様に感じる。
 青に堪能した後は、赤だった。件の本屋に移ると、店内中央に鎮座する真紅の螺旋階段があった。

The most beautiful bookstore in the world.
Livraria Lello. In Porto, Portugal.

何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その四

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 さて「アズレージョ」の語源はペルシャ語で、青い石「ラピス・ラズリ」から来たらしい。その昔半島はアラブ人が支配していたのだ。当初カラフルだったタイルで占める壁面は、イスラム圏の空間恐怖症的な様相がより強い。後にオランダの影響で青と白になり、タイル画に空と海が生まれた様に感じる。
 青に堪能した後は、赤だった。件の本屋に移ると、店内中央に鎮座する真紅の螺旋階段があった。

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