Ⅵ:ホメオパシー枕草子

何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その五 

 『レロ書店』が現地で開業したのは20世紀初頭らしいので、それから1世紀と少し経つ。「世界一」を競合する他国の本屋と比べると、ブエノスアイレス『エル・アテネオ』では母体の元劇場が同い年くらい、マーストリヒト『ドミニカネン』に至っては元教会が700年と桁が違う。いずれにせよリノベされ蘇った場所である。私はこの事を強く訴えたい。古いものを簡単に壊さないで欲しいと。
 ところで私の本屋好きは生来の性質で、子供の頃は本屋巡りが日課であり、旅先ではまず本屋を探した。ネットの無い時代それらは「ここでは無い何処か」に通じる様々な回廊への入り口で、本を入手するのは入場切符を購入する様なものだった。何処へ行くかと選ぶ時間は至福の時で、何かが決定される前の凡ゆる可能性に満ちた時点と感じた。これから天にも昇る心地。『レロ書店』の螺旋階段は、個人的経験が形となった魅力があった。
本屋熱に浮かされて私はカフェに移動した。

Majestic, an old cafe in Porto.

何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その五 

 『レロ書店』が現地で開業したのは20世紀初頭らしいので、それから1世紀と少し経つ。「世界一」を競合する他国の本屋と比べると、ブエノスアイレス『エル・アテネオ』では母体の元劇場が同い年くらい、マーストリヒト『ドミニカネン』に至っては元教会が700年と桁が違う。いずれにせよリノベされ蘇った場所である。私はこの事を強く訴えたい。古いものを簡単に壊さないで欲しいと。
 ところで私の本屋好きは生来の性質で、子供の頃は本屋巡りが日課であり、旅先ではまず本屋を探した。ネットの無い時代それらは「ここでは無い何処か」に通じる様々な回廊への入り口で、本を入手するのは入場切符を購入する様なものだった。何処へ行くかと選ぶ時間は至福の時で、何かが決定される前の凡ゆる可能性に満ちた時点と感じた。これから天にも昇る心地。『レロ書店』の螺旋階段は、個人的経験が形となった魅力があった。
本屋熱に浮かされて私はカフェに移動した。

Majestic, an old cafe in Porto.