「すべて世は事も無し」 その二
口ずさんだのはブラウニング「春の朝」の一節。私は上田敏によるこの訳詩が好きだ。ここで、最近見たTweetを思い出していた。「In Paris, a new “Everything is Fine” gif is born」。近傍で炎燃えたつ屋外カフェで超然と喋り続ける人々を写した短いgif動画とコメントだ。通りにはデモ隊が見える。マクロンの年金改革で激震するフランスの腹の座った庶民を激写している。「パリで新しい“ぜんぜん大丈夫!”gifが誕生した」みたいなニュアンスか?実は先のブラウニングの詩も劇中歌で、凄惨な殺人事件が起こった翌朝、通りすがりの少女が無心で歌う詩なのだ。状況と言葉のコントラストが似ていて面白い。だけど「何かが起こっていると知っていて」発する言葉かどうかが違うし、ここが重要だ。私の場合で言えば、母の身の変化に気づき、一喜一憂する我が心に気づき、それらが外界の変化で大きく揺らぐと気づくこと。それでいて「大丈夫」かどうかだ。
「すべて世は事も無し」 その二
口ずさんだのはブラウニング「春の朝」の一節。私は上田敏によるこの訳詩が好きだ。ここで、最近見たTweetを思い出していた。「In Paris, a new “Everything is Fine” gif is born」。近傍で炎燃えたつ屋外カフェで超然と喋り続ける人々を写した短いgif動画とコメントだ。通りにはデモ隊が見える。マクロンの年金改革で激震するフランスの腹の座った庶民を激写している。「パリで新しい“ぜんぜん大丈夫!”gifが誕生した」みたいなニュアンスか?実は先のブラウニングの詩も劇中歌で、凄惨な殺人事件が起こった翌朝、通りすがりの少女が無心で歌う詩なのだ。状況と言葉のコントラストが似ていて面白い。だけど「何かが起こっていると知っていて」発する言葉かどうかが違うし、ここが重要だ。私の場合で言えば、母の身の変化に気づき、一喜一憂する我が心に気づき、それらが外界の変化で大きく揺らぐと気づくこと。それでいて「大丈夫」かどうかだ。