何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その九
初めてのものに目がない私には、古過ぎるものが目新しく見えるのかもしれない。1906年に建設された『サンタ・ジュスタの鉄骨エレベーター』は、高さ45メートル。エッフェル塔の完成が1889年で、その弟子の作品らしい。ポルトガルで立ち寄った目ぼしい建物の多くが、前世紀初頭のものだとまた気づく。
ゴツゴツと無骨な塔の中を木製の箱が動くのだ。初期は蒸気で稼働したらしい。夜は古びたライトで煌々と照らされ、威圧的かつ哀愁溢れる風貌が、建築界の恐竜みたいで気に入った。
これはリスボンの特殊な地形を鑑み、実用品として作られたものだ。隣接するバイシャ地区とバイロ・アルト地区の高低差がそんなにある為、住人は日常的に利用したのだ。どんな土地に行ってもそこで一番背の高い新しい塔に皆登りたがる。でも私の好きなのは、まだ現役の気概あるお年寄りなのだった。
何処にいても同じ夢を見ている ポルトガル編 その九
初めてのものに目がない私には、古過ぎるものが目新しく見えるのかもしれない。1906年に建設された『サンタ・ジュスタの鉄骨エレベーター』は、高さ45メートル。エッフェル塔の完成が1889年で、その弟子の作品らしい。ポルトガルで立ち寄った目ぼしい建物の多くが、前世紀初頭のものだとまた気づく。
ゴツゴツと無骨な塔の中を木製の箱が動くのだ。初期は蒸気で稼働したらしい。夜は古びたライトで煌々と照らされ、威圧的かつ哀愁溢れる風貌が、建築界の恐竜みたいで気に入った。
これはリスボンの特殊な地形を鑑み、実用品として作られたものだ。隣接するバイシャ地区とバイロ・アルト地区の高低差がそんなにある為、住人は日常的に利用したのだ。どんな土地に行ってもそこで一番背の高い新しい塔に皆登りたがる。でも私の好きなのは、まだ現役の気概あるお年寄りなのだった。