Ⅵ:ホメオパシー枕草子

シーシュポスの消失 その三

 観察瞑想とはマインドフルネスやヴィパッサナーと呼ばれる仏教由来の瞑想の事である。心であれ体であれ自分に起こる現象はみんな観ていく。例えばシーシュポスが初めて岩を押し上げるとする。上に行く程体の「痛み」「疲れ」は増すが、上り坂では「期待」があり、頂上が見えると「安堵」し、着けば「達成感」が生じる。でも岩が転げ落ちる瞬間、これは繰り返される『物語』だと認識し、「失望」「諦念」が生まれる。瞑想でこれら『知覚』『感情』『物語』の全てをつぶさに観続けると、実はどれも生まれては消え、変化する現象=『無常』なのだとわかる。自分で『物語』を作ってリピートし、苦しみが増すのがわかる。この境地に至るのは容易でないが、永遠の刑が消散するのは悦ばしい。ちなみにカウンセリングでは『物語』を『知覚』からただの『動き』へと解体する。シーシュポスは消え、「上へ」「押す」「落ちる」だけになるのである。

「シーシュポスの神話」の構図

シーシュポスの消失 その三

 観察瞑想とはマインドフルネスやヴィパッサナーと呼ばれる仏教由来の瞑想の事である。心であれ体であれ自分に起こる現象はみんな観ていく。例えばシーシュポスが初めて岩を押し上げるとする。上に行く程体の「痛み」「疲れ」は増すが、上り坂では「期待」があり、頂上が見えると「安堵」し、着けば「達成感」が生じる。でも岩が転げ落ちる瞬間、これは繰り返される『物語』だと認識し、「失望」「諦念」が生まれる。瞑想でこれら『知覚』『感情』『物語』の全てをつぶさに観続けると、実はどれも生まれては消え、変化する現象=『無常』なのだとわかる。自分で『物語』を作ってリピートし、苦しみが増すのがわかる。この境地に至るのは容易でないが、永遠の刑が消散するのは悦ばしい。ちなみにカウンセリングでは『物語』を『知覚』からただの『動き』へと解体する。シーシュポスは消え、「上へ」「押す」「落ちる」だけになるのである。

「シーシュポスの神話」の構図