Ⅱ章：「真珠貝」の人　　

　また別に「頭に何か被さっている」「喉に何か乗っている」「鼻の中に何かある」「人目につきたくない」感じも強くなりました。このように当人にしかわからない奇妙な感覚は、「気のせい」と一蹴されがちです。しかし字義どおり、これらは「気＝生命エネルギー」の性質の現れなのです。この患者さんは標準医療のおかげで、脚を動かせるようになりました。一方ホリスティック医療的に見れば、度重なる手術や長期療養生活のストレスで、「気」は乱れてしまいました。「気」は自ら復元したくて「症状」を表します。治療で抑えられた為、身体から精神へと遡り、「症状」はより微細な「Sensation感覚」となりました。この方には「Conchiolinum=牡蠣の真珠質のレメディー」を選びました。初診から約半年、彼女にとっては数十年ぶりに、「脚ができた」のでした。