Ⅵ:ホメオパシー枕草子

共感 NO ? その二

これが対話の妙味かもしれない。少女の純な想いがその時の私をメディアに変えて自ら答えを引っ張り出した、様な気さえした。だってその回答がピンと来るには、私自身でさえ些か人生経験を要したのだ。「患者さんと医者の双方の立場を自在に行き来できる」。それには「共感能empathy」がある方がいい。生得的能力かもしれないが、私には重要と思える。例えば、辛い訴えで受診しても「検査では異常なし」で終えられるケースはよく見られる。「どんな可能性がある」「何科に行ってみたら」と言う助言すら無かったりする。それならAIで十分ではないか?この陥穽は「責任感」でカバーできるかもしれないが、「共感能」の強い者なら「人の苦しみ=己の苦しみ」になってしまうので、自然と解決したくなるのだ。ただ「共感能」が強いだけでは共倒れする。両者の間に「境界boundary」がきちんと引かれ、すぐ医者のポジションに戻れるべきなのだ。

“Alice and the White Rabbit” by Lewis Carroll
https://victorianweb.org/art/illustration/carroll/1.html

共感 NO ? その二

これが対話の妙味かもしれない。少女の純な想いがその時の私をメディアに変えて自ら答えを引っ張り出した、様な気さえした。だってその回答がピンと来るには、私自身でさえ些か人生経験を要したのだ。「患者さんと医者の双方の立場を自在に行き来できる」。それには「共感能empathy」がある方がいい。生得的能力かもしれないが、私には重要と思える。例えば、辛い訴えで受診しても「検査では異常なし」で終えられるケースはよく見られる。「どんな可能性がある」「何科に行ってみたら」と言う助言すら無かったりする。それならAIで十分ではないか?この陥穽は「責任感」でカバーできるかもしれないが、「共感能」の強い者なら「人の苦しみ=己の苦しみ」になってしまうので、自然と解決したくなるのだ。ただ「共感能」が強いだけでは共倒れする。両者の間に「境界boundary」がきちんと引かれ、すぐ医者のポジションに戻れるべきなのだ。

“Alice and the White Rabbit” by Lewis Carroll
https://victorianweb.org/art/illustration/carroll/1.html