Ⅲ章： 「サボテン」の少年　

　ケース分析の結果、少年には「アンハロニウム」のレメディーが与えられました。初診から一月あまり経ち、初回再診時は、最初から言葉でコミュニケーションできました。主訴のアトピーについては、かゆみは全く消え、カサブタだけになりました。部位は、当初の両肘からより末端の両手背に移りました。問題の程度は、主観的には2/10位残る感じでした。爪噛みの方は6-7/10位と、頻度や程度が減りました。ところで彼はこの当時、難関校への進学を果たしたばかりでした。不登校の引き籠り状態から急展、遠距離電車通学が始まり、家庭教師もつきました。今度は、疲れると頭痛が出てきました。「頭痛について話して。どんな感じになる？」「思いっきり押される感じ」「話して」「全体的に押される」。そう言いながら彼は、頭の左右両側を、両手で強く押しました。また別のエピソードでは、プロレスの技をかけられて、過呼吸発作を起こしたようでした。