ホメオパシークリニック芦屋

Photo by Megumi Tanaka

Introduction

イントロダクション

ホメオパシークリニック芦屋へようこそ

 “Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.” 「健康とは、身体的、精神的、 霊的(スピリチュアル)および社会福祉上、動的で満たされた状態であり、単に疾病や病弱の存在しない事ではない」

 これは1998年のWHO憲章における「健康の定義」改正案です。下線部分に議論の要点があり採択されました。しかし翌年の再審議で見送りとなりました。私がホメオパシーを学び始めて15年になりますが、その動機の一つは、この提案の視点を求めての事でした。

 以来、町医者稼業のかたわら細々とですが、症例ごとにじっくり時間をかけた臨床を心がけてきました。患者さまという他者の声を聴く度、新鮮な知見を得て、白地図を埋めて参りました。この作業を続けるうちに、当初予想もしなかった、奥ゆき深い鮮やかな世界観が現れてきました。ここでは、そのさわりをお伝えしたいと思います。

 人はみな何かを「表現」したいようなのです。誰でも無意識に欲しています。何を「表現」したいのかと言えば、「通常は認知されない己の正体のようなモノ」についてです。ソレはいわゆる「気」で出来ていますが、あたかも別の生命体の宿るが如く、複雑に自己組織化されています。即ち、自然界のもののごく分化された何らかの質が、個々人の中に見受けられるのです。

 ソレは目に見えず、はっきり正体を明かさない代りに、人の心身を通じた性質・感受性・選択・関係性・世界観などに反映され、密やかな「表現」をしています。人は言葉の世界で生き社会化される宿命から、ソレを自分像として投影するのです。そこで、感覚的な人はいわゆる内なる声としてソレに従って生きがちで、そうでない人はソレに気づかず抑圧し、社会の要請に適応しがちです。

 さて、生きていれば様々なストレスが生じます。極端な気候変動や感染や栄養不良、高齢や貧困やハードワーク下では勿論ですし、人や環境が合わない、欲求が満たされないなど、現代社会の複雑化とリンクして、ストレッサーも変化しています。ストレス下ではソレの乱れが激化して「表現」はより大きな声に転じます。例えば、性質は極端に振れ、奇妙な言動が現れ、心身に「症状」が発症します。ソレは頑なに自己のパターンを反復し、柔軟性が欠け、周囲と不調和を生み出します。

 何故ソレが人に不都合な「症状」を生み出し、過剰な「表現」で社会化を拒むのかと言えば、その乱れに気づいて欲しいからなのです。もうソレの声を無視できない状態だと知らせ、人の意識と行動を変えてもらいたいのです。そもそもソレの本質である「気」とは自然治癒力であり、生きるエネルギーそのものです。生き物すべてに宿り、「表現」や「症状」の形をとって、自ずと乱れを発散するようにできているのです。

 標準医療の医者の役割は、「症状」を抑える事だと思います。激しい「症状」に対処し、早急に苦を取り除き、救命するのは重要な仕事です。一方、ホリスティック医療における医者=ホメオパスの役割は、「症状」をシグナルと捉え「表現」全般に気づき、ソレの正体を知り、本質的な処置を施し、根本から整える試みです。

 その手段として、様々なカウンセリングと分析メソッドがあります。クラシカル・ホメオパシーの歴史は200年と古いのですが、私の用いるメソッドは、クラシカルの呼称はついても、現代的でプログレッシブなものです。

 本来、ご自身のソレについて一番知っているのは、患者さまご本人です。どのように知らせていただくか。ここでホメオパスの資質と技能が問われます。身体症状のみで来院される場合でも、カウンセリング中は非常に深い「気づき」の場から、ソレについて語られるケースもあります。その場を共有できるのは、ホメオパスにとって僥倖です。本来、人の構造は多層的であり、その存在の最も深い部分にしばし至れる、そんな思いが致します。

 こうしたアニミズム的語り口に対し、非科学的と捉える方もいらっしゃるでしょう。けれど、私のする仕事はロジカルな作業です。「気」の存在自体、科学的に未検証ではありますが、「気」を想定した仮説が一番理屈に合う訳です。その仮説の因果関係を、多くの臨床家たちが長年にわたり実証してきました。メソッドをきちんと学べば、理路は誰にも共有可能です。またひとたび体験すれば、「霊性」や「多様性」などの言葉の所以も腑に落ちてくるのです。

 ホメオパシーについての詳細は、Homeopathyホメオパシー解説で、具体的な診療内容の解説は、Clinic 診療のご案内で、実際のケースの幾つかは、Picture Bookホメオパシー絵本で、それぞれ解説致しております。