2: 類似の法則 The law of similar

 ホメオパシーという名称は、ギリシア語の「似たもの Homoios」と「病気 Patheia」が組み合わされた造語です。これは、「似たものは、似たものを治す」という治療原理を表しています。この治療原理は、「類似の法則」と呼ばれます。そもそも、このコンセプトの発祥は医聖ヒポクラテス Hippocrates(BC460-377)の時代に遡りますが、ルネサンス期の医師であり錬金術であったパラケルスス Paracelsus(1493-1541)も唱えているなど、現代にわたり連綿と続いている自然哲学的な概念です。ところで、ホメオパシーにおいては、何と何が「似たもの」なのでしょうか? 実は、私たちの呈している「症状」と、レメディーが起こしうる「症状」とが、「似たもの」なのです。言い換えれば、患者とレメディーを「似たもの」同士でマッチングさせるのが、ホメオパシーの治療方法です。

3: バイタル・フォース Vital Force

 ハーネマンは「症状とは単なる病気の証しではなく、私たちの自然治癒力の表現である」と捉えました。この自然治癒力は、東洋の伝統医療では「気」や「プラーナ」などと呼ばれていますが、西洋にも似た概念はありました。ハーネマンは著書「オーガノン」中で、これを「バイタル・フォース Vital Force」または「ダイナミス Dynamis」と呼びました。これらはそもそも、生きるためのエネルギーなので、各種ストレスにより乱れが起こると、自らを復元しようと努めます。その時、元来の自分らしさを表現することで、バランスを取り戻そうとするのです。そのような深部のエネルギー活動が、心身の表面では「症状」となって現れます。赤ちゃんや子供など、バイタル・フォースの強い者には、この復元活動が激しくでても、わりと速やかに治癒します。しかし、お年寄りや深刻な病気の者は、バイタル・フォースが弱っているので、症状は弱くても、治癒が長引いたりするのです。